左・ドウモイ酸化学式 中・珪藻の中で作られるドウモイ酸 右・ハナヤナギ(中国名樹枝軟骨藻)
【USFRONTLINE5/5-加州沿岸で海生動物が大量死~毒を出す海藻の大繁殖で】
毒性のあるドウモイ酸を排出する海藻の繁殖が原因で、カリフォルニア州沿岸の海鳥、アシカ、イルカなどが大量に死亡している。
AP通信によると、サンディエゴ沿岸からサンフランシスコ湾にかけて、たくさんの鳥や動物の死骸が海岸に打ち上げられている。
4月第3週には、ドウモイ酸に侵された鳥40羽が同州サンペドロの国際野鳥救助センターに運び込まれた。例年だと、同様の症状でセンターに運び込まれる鳥は週に7羽程度だという。ジェイ・ホルコム所長は、「35年ここに勤めているが、石油の流出事故以外、これほど多くの動物に異常が生じたのを見たことがない」と話している。
海の中の微小な藻から排出されるドウモイ酸は、動物に吸収されると脳に影響を与え、けいれんを引き起こす。海鳥や海生動物は、藻を食べた魚や貝を食べるために酸を取り込んでしまう。
毎年暖かくなる時期に海水温度の上昇によって藻が繁殖するが、今年はその時期が早く、繁殖量も例年よりずっと多いという。
ハンティントンビーチの湿地帯・野生生物保護センターには、1週間足らずで73羽もの病気または死んだ鳥が届けられた。ラグーナビーチの太平洋海洋ほ乳類センターは、ドウモイ酸に侵された14頭のアシカを治療中だ。7頭は死亡した。
海藻の繁殖している中を泳いでも影響を受けないが、ドウモイ酸を含む魚や貝を食べると、人間も吐き気、けいれんを起こし、場合によっては死に至る。
州衛生局は、個人で収穫した貝やアンチョビ、イワシ、また個人・商業収穫のロブスター、カニの飲食に関する警告を出した。
2002年と03年のドウモイ酸大発生では、1000頭以上のアシカ、50頭のイルカが病気にかかったり死亡したりした。
◇唸声コメント
ウィキペディアによれば、『1987年の11月から12月にかけて、カナダのプリンスエドワード島で養殖のムラサキイガイによる食中毒が発生した。被害者107人中4人が死亡、12人が重度の記憶障害に陥った。』とあり、人間にも影響が出ていたのだ。
海のBSE?の原因といわれるドウモイ酸は1958年、醍醐皓二氏により発見されている。徳之島ではこの「どうもい(紅藻ハナヤナギ)」を虫下しとして使っていた。回虫が死ぬくらいだから毒性がある。ドウモイ酸は脳細胞を死滅させるらしい。
虫下しと言えば、海人草(天草)を煎じ詰めたものが効くと言われていた。しかし、その薬効はせいぜい3割から4割、薬効成分はカイニン酸で上記のドウモイ酸もそれに良く似たもの(名前の付け方まで一緒)であった。
ところがこのカイニン酸が恐ろしく不味くて臭いそうで(唸声は飲んだことがないので分からない)、虫も生きていられないだろうと誰しもが思ったらしい。そこで考えられたのが擬似チョコに混ぜて食べやすくした「アンテルミンチョコレート」、これは「虫下しチョコ」としてなんとなく覚えている。
写真はノスタルジー薬局より
カイニン酸は回虫の中枢神経を麻痺させ、翌日排泄するものだ。ドウモイ酸は脳細胞を死滅させるので、こちらは危険。毒素を発見したのなら、薬の方も見つけてもらいたい。こんな時こそ動物愛護団体の力の見せ所ではないの???
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