中国人を知らずして中国でビジネスをすると誰もが痛い目に遭う。最近、内部告発文書が出ている某有名地図会社も中国でのビジネスに失敗した模様。当然ながら、日本企業の中国進出の成功例もあると思われるが、失敗例には事欠かない。
日本の常識を中国に持ち込まないことが大切、文化の違いと人の違いはアジアでくくれないほど違う。知れば知るほど違いに気がつく。同じアジア人だなどと思わないことだ。
そんな中国で会計コンサルをしている葵ビジネスコンサルタンツ殿から中国コンサルの判断方法のレポートが出ているので紹介したい。実に的確にまとめられている。一言で言えば、「騙される日本人が悪い」となるのだが・・・。以下をお読みくだされ。
【㈱葵ビジネスコンサルタンツ:中国でのコンサル「優・劣」「信用」の判断方法】
今月号は、同業のコンサルタントからは大変に嫌われる内容になります。
中国:上海では、コンサル等のサービス業ですと『最低資本金が10万元』と低額になり、『中国系法人ですと資本金が「0:ゼロ」でも中国人2名で登記・設立できる』ので、雨後の竹の子のようにコンサルタント会社が設立されています。そこで、日本の方々から、良く尋ねられて、アドバイスを求められる質問になります。
『コンサルタントや専門家の「優秀・劣等」や「信用性」をどのように、どの点で、判断していますか?』 ぜひ、「安心・信頼できる方法を教えてください」「格付けをしてください」と頼まれます。
最初のポイントは、中国:上海人の傾向・思考等を理解する事になります。
◎ 「騙される人が悪い」と言う性悪説に基づいての自己責任になります ◎ 良くも、悪くも、上海人は中国内ではレベルが高い ◎ 上海人も「上海人は高レベルで、中国№1」だと認識・自慢している ◎ 自己啓発意欲は、凄く高い (社内育成の制度・思考が無いためでもある) ◎ 部下やパートナー・コンサルでも、優秀であれば、あるほど利害関係者から、嫌われ、追い出されます ◎ 金銭感覚・嗅覚は、優れている ◎ 公私の区分が不明確で、「会社の金は私物、私の金は私物」 ◎ 検品・チェック等の業務能力は弱い、無い ◎ 思考期間は短期間になり、長期間ではない ◎ 契約とは「合意」開始の宣言であって、「交渉完了」すなわち、実行開始ではない?? |
① そのためか、優秀な上海人の給与は日本並・日本以上になります
② 日本人と比較すると「交渉術」や「営業態度」は、格段にレベルが上です
;短期的な思考力や意思決定の判断力に関しては、大変にドライです
;物事の割切方が、良くも、悪くも、日本人にはとても真似できない
③ それ故に、自己にマイナスになると判ると態度等が一変します
;口約束は「リップサービス」です
;中国に無い諺は「損して、得を取れ」です
「Give and Take」や「Win-Win」の風土・思考はなく、「All or Nothing」になります
④ 「当社は何でも出来ます」と宣伝している『紹介コンサル』会社も多数あります
⑤ 自分の業務や知識に自信欠如している人ほど「喋り過ぎ」ます。そして、大きな事を言い、自分を『大物』に見せたりして、見栄を張ります
;御喋りの過剰が、自己PRで「優秀」だと思っているためです
⑥ 契約違反や約束違反をした場合、当事者にペナルティーが与えられるか?
;剥奪できる「日本資格(弁護士資格・税理士)」を取得しているか? 「日本の裁判所で資格を剥奪できます」
;差し押さえできる「日本の財産」を所有しているか? 「個人保証させれば良い」
;日本の政府や地方自治体から、信頼されているか? 「裏切ると損をさせます」
上記ように、何か失う物があると違反や約束・契約の放棄が出来にくい!
≪対応策として≫ * 自分が損失を出す。つまりマイナスになる約束「金銭・面子 等」を順守するか、しないか? ;そのような決断を必要とする場を早く設定して、人柄や人間性を判断します ;順守する意思があるならば、契約書に詳細な「業務内容」や「日時」から、『ペナルティー』までも記載します。 契約書はもちろん、日本語で作成します * 駐在の長く、信頼できる日本人や中国人の多数に、その会社の評判を聞く (信頼できるかどうかの判断が難しい) ;今でも「口コミ」社会なので、悪い噂ほど速く流れています ;上記⑦でペナルティー・罰金を与えられたかチェックする ;裁判中でしたら、紛争・争議の中身を詳細に確認します (良い評価になる場合と悪評になる場合になります) * 【会計】コンサルとは、契約内容はモチロン、契約先をも外部に秘密にしています ;優秀な会計担当者の引抜を防止するためです。 高レベルの会計を実施できる「会計担当者」は引く手あまたですので、給与アップ(50%~100%)を提示されると直に、別の日系法人に転職しました * その道のプロの判断を仰ぐ! ;社内の専門家や外部の顧問先と相談します。「専門知識の有・無を、プロが判断する野は簡単です」 最後は自己の決断・判断になります * 合弁会社や共同業務の法人ですと例えば、会計を「国際≒日本」レベルで実施させます。 会計担当者が言う反対理由を確認します ;高レベル会計を実施しない理由として、「難しい」「時間が掛かる」は良いとしても『中国では、承認されていない』『中国会計の常識・ルールと違います』と回答されて、導入を妨害されました。 でも、信じる日本人が悪い! * 「私は知りません」とか、「当社では出来ません」と正直に、事実を伝えてくれる人・社員・経営者には、現状認識力が有ると思えるので信用できるかもしれません。 ;出来ます、知っていますと言われて、内容を確認しない会社や経営者が悪い! * 多くの事柄を長い間、詳細に話し合えば、「長期思考」か「短期思考」かを判断できます ◎ 人間を『判断する』『見抜く』能力が最も要求されます ◎ ビジネスでは「小さな節約、大きな損失」に注意です。 諺になると【タダほど、高い物はない】です |
≪結論≫
中国:上海でも、東南アジアでも良く言われている事柄ですが、「騙そうと考えている現地の人・社員・会社よりも、品格の悪い日本人の方が悪ど過ぎる!」になります。これもまた、事実でしょうからご注意ください。(F:記)
㈱葵ビジネスコンサルタンツ
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