▼唸声の気になる映像／アフガンのカブールバンクで取り付け騒ぎ

写真はカブール銀行、兵士が警備している。顧客の波はとりあえず収まっているようだ/YouTube(アルジャジーラNews)

http://www.youtube.com/watch?v=CF0gDMxMMRs&feature=player_embedded#!

写真は同銀行での順番待ちの受付番号、なんと１６５２人目だ

アフガンで一番大きいカブール銀行の経営陣の二人が汚職疑惑で辞任し、顧客は６０％の預金を引き出した。同銀行の株主であり、カルザイ大統領の兄弟でもあるマフムード・カルザイ氏は、人々を安心させる為に政府が介入したと語る。

その人々はカルザイ政権を信用していないので取り付け騒ぎが起きるのである。常岡浩介さんの誘拐もカルザイ政権はタリバンと言うが、誘拐された常岡さん本人は、誘拐犯はタリバンではなく、政府側の軍閥組織だと断言している。

アフガンの安定はまだまだ先の話だ。

【IZA9/7-カブール銀行で取り付け騒ぎ】

【ニューデリー＝田北真樹子】アフガニスタン最大の民間銀行「カブール銀行」の経営陣が不適切な投融資を行い、多額の損失が発生したとして同国内で経営破綻（はたん）の懸念が広がり、預金を引き出そうとする利用者が窓口に押し寄せる騒ぎが起きている。政府は同銀行の支払い能力に問題はないと強調、万が一の事態には政府とアフガン中央銀行が救済する準備もあるとして、利用者の懸念払拭（ふっしょく）に躍起になっている。しかし、経営悪化にはカルザイ大統領周辺の関与が取りざたされており、国民の不信を増幅させかねない事態となっている。

　アフガン中央銀行のフィトラット総裁は６日の記者会見でこう述べ、カブール銀行の経営破綻を何としても回避させる決意を示した。同氏はカブール銀行は自己資金で操業している点を強調。同時に、不安をあおるような外国メディアの報道に振り回されないように、と利用者に訴えた。

　それでも、カブールなどからの報道によると、現地のカブール銀行支店前には、業務開始前から行列ができている。今週になって列は短くなっているものの、現在も多くの支店には有刺鉄線が張られ、国軍や警察が警備にあたるなど利用者の出入りを厳しく制限しているという。

　一連の取り付け騒ぎのきっかけは、政府が８月３０日、カブール銀行のファヌード会長とフルジ最高経営責任者（ＣＥＯ）を退陣させ、中銀幹部のガジ氏を代行ＣＥＯに据えたとのニュースだった。

　複数の米紙によると、ファヌード氏らは、銀行の融資を活用してアラブ首長国連邦のドバイに土地や別荘を購入したほか、カルザイ氏とファヒム副大統領の兄弟らに多額の融資を行ったという。このため損失が生じ、その額は３億ドル以上ともいわれる。カルザイ、ファヒム両氏の兄弟はいずれも同行の大株主で、カルザイ氏の兄はファヌード氏らが購入したドバイの別荘の１つに住む。また、同行は昨年の大統領選でカルザイ氏を資金面で支援したとされる。

　カルザイ氏自身の周辺が関与する問題なだけに、不正の報告を受けた後の同氏の対応は鈍かったようだ。米紙ワシントン・ポストは、駐留米軍のペトレイアス司令官がカルザイ氏に対応を迫ったと報じている。だが、ファヌード氏らの拘束や自身の弟らに法的措置を取ることに慎重な姿勢は変わらないとされる。

　カブール銀行は、約２５万人のアフガン国軍兵や警察官、政府職員などの給与口座として利用されているほか、一般利用者の預金残高は１３億ドルに上る。

　銀行は同国ではまだ新しいシステムのため、利用者も限られており、先進国のような取り付け騒ぎにまで発展する可能性は低いとみられる。だが、アフガンの治安維持を担う兵士や警察官の給与を支給できない事態になれば、兵士らのモラル低下を招き、さらなる治安情勢の悪化につながりかねない。