写真は射殺されたGuadalupe Valenzuela容疑者/WOAIニュースより 2010/10/19
Police identify intruder shot by homeowner=警察は家主によって射殺された侵入者を特定する
【IZA11/7-<世界おもしろ法律事典>侵入者を射殺、罪問われず…テキサス州「城の原則」】
アメリカのテレビを見ていると、こんなCMがよく流れる。平穏な夜を自宅で過ごしている女性。と、突然ガラスが破られ、侵入者の影が見える。鳴り響く非常ベル。悲鳴を上げて部屋に逃げ込む。そこに警備会社から電話。「大丈夫ですか。今、パトロールが急行しています」。ほっと安心の表情を見せる女性…。
「毎月99ドルでこの安心を」とCMは続くのだが、米国社会の現実はたぶん、そんなに甘くない。テキサス州サンアントニオで最近、実際に起きたのは次のような事件だ。
トニ・ヘインズさん(50)は午前3時半ごろ、寝室から外に通じるドアを、誰かがけ破ろうとしている物音で目覚めた。恐怖を感じた彼女は枕の下から回転式拳銃を引っ張り出し、物音の方角に向かって4発をぶち込んだ。後にロランド・バレンズエラ容疑者(28)と判明する侵入者はよろよろと逃げ去り、その後付近の路上で死んでいるのが見つかった。
死因は明らかにヘインズさんの銃弾だったが、彼女が罪に問われることはないとみられている。テキサス州には、「城の原則」(キャッスル・ドクトリン)という法律があるからだ。
自宅や私有地を「城」に見立て、そこに侵入した者は有無を言わさず「致死的な強制力をもって」撃退してよいと定めた法律である。「侵入者が本当に生命の危険をもたらしたか」「その場から逃げるなど、ほかの手段を尽くしたか」など、正当防衛適用の前提となるさまざまな条件は、基本的に必要とされない。
事件後、地元ラジオ局に寄せられたある聴取者の意見。
「犯人は、羊を狙って牧場に忍び込んだら番犬に見つかってしまった。テキサスは他の州に比べ、羊より番犬のいる確率が高いことで知られている」 (ニューヨーク 松尾理也)
数日前からトニさんとロランド容疑者にはトラブルがあり、トニさんは警戒をしていたようだ。あるブログには、ロランド容疑者がトニさんの頬にキスをしたと書かれており、何だかドロドロしたものがありそうだ。ロランド容疑者には麻薬保持等の前科がある。
「城の原則」は少々野蛮な法律だと感じる人がいるかもしれないが、これが国境であれば、有無を言わさず、射殺されることもある。それだけ、ホットな国境も世界にはたくさんある。
日本の住宅に「城の原則」が適用される時代は来るのだろうか?このまま、政府の腰が抜けたままなら、こんな法律を作らざるを得なくなる。
この射殺された侵入者が外国人であれば、どうなっただろうか?ルイジアナ州のフリーズ事件を思い出す。
日本人留学生射殺事件↓
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