2月2日、カイロでデモ隊と警官隊が衝突し388人が負傷した
2月1日、79名が死亡、千人以上が負傷したエジプト北部ポートサイドでのサッカー試合
競技場には警官はいるだけで何もしていない。何のためにいるのか?給料を貰うためか?
ムバラクを倒したもののその先を何も考えていないのか?それとも、後ろで笑っている奴がいるのか?
<雪降れば アラブの春も 白になり>
【IZA2/3-.エジプト 暴走したアラブの春 「サッカー暗黒の日」】
≪ピッチにファンなだれ込み 74人死亡≫
エジプト北部ポートサイドで2月1日、サッカーリーグの試合後、観客がピッチになだれ込み暴動に発展、ロイター通信などによると74人が死亡、千人以上が負傷した。事件は国際サッカー連盟(FIFA)会長が「サッカーにとって暗黒の日」と嘆くほどの惨劇。昨年2月にムバラク政権が崩壊して以来、エジプトでは警察の弱体化が叫ばれており、今後、暫定統治を担う軍最高評議会への早期退陣圧力が高まる可能性がある。
■試合前から非難合戦
暴動には伏線があった。ファンは、地元チームのアルマスリが首都カイロの強豪アルアハリを3-1で破った直後にピッチになだれ込んできたのだが、インターネット交流サイト「フェイスブック」では、試合前からファンの間で、「戦争のような非難合戦」(地元サッカー評論家)が展開されていた。
暴徒化したファンは鉄棒さえ手にしており、試合中にやじを飛ばしたり、侮辱する横断幕を掲げた相手チームのサポーターや選手たちを次々に襲撃していき、暴動が拡大した。
目撃者やテレビ中継によると、警備に当たっていた治安部隊は暴徒化した観客を制止しておらず、テレビ中継は、ファンがなだれ込んできた際、一人の警官が携帯電話で会話していた姿を映し出した。
標的になったアルアハリの選手は「これはサッカーでなく戦争だ」とコメント。観客席では火が放たれ、スタジアム外でも過激なファンと治安部隊との衝突が起きた。死者の多くは逃げようとした際の圧死だった。治安部隊は暴動にかかわったとして47人を拘束した。
■治安悪化「陰謀論」も
事件を受け、エジプトの人民議会(下院)は、緊急協議の開催を決定。エジプトのサッカー連盟は「サッカー史上、最悪の不祥事だ」として、今シーズンの全試合を無期限で中止すると発表した。
民衆蜂起「アラブの春」では一部のサッカーファンも中心的な役割を果たしており、国営テレビは、この暴動で、治安部隊に実力行使命令が出ていなかった可能性があると伝えた。一方、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団傘下で議会第1党の自由公正党は「軍政と警察の責任だ」と批判した。
民衆蜂起の際にデモ隊を弾圧した警察や治安部隊は、国民の反感を買って士気や権威が著しく低下しており、ムバラク政権崩壊後は取り締まりに弱腰になっている。一方で、治安は改善されず、先月(1月)25日の非常事態法の解除後も各地で銀行強盗などの凶悪犯罪が続発。非常事態法の再適用を求める声も上がり、軍が暫定統治期間を引き延ばそうとして意図的に治安悪化を許しているとの「陰謀論」さえも流れている。
テレビ中継を含め多くの人が目撃した今回の“ポートサイドの惨劇”は一夜開けた2日も、カイロなどで余波が続いており、軍への批判が高まることは間違いない。 (SANKEI EXPRESS)
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