写真は120mの観覧車「サザン・スター」/YouTubeより、出来上がるまでを微速度撮影でご紹介!
http://www.youtube.com/watch?v=euJwlzCJJNU&hd=1
2008/12/20オープン、約1ヶ月遅れのスタートをきったが、ひび割れ等の部品に欠陥が見つかり、この動画の逆回しをすることになる。つまり、解体、再組み立ては2011/1より開始された。
英国のロンドン・アイをモデルに作られた巨大観覧車の工事費は1億ドル≒83億円。メルボルンのドックランズ地区に作られた「サザン・スター」の全長は120メートルで、鉄鋼1600トンが使用され、1万2500平方メートル分の塗装が施され、ボルト3万8000本で固定されており、21の客室は分速11メートルで動き、30分かけて一周する。料金は大人29ドル≒2415円、小人17ドル≒1415円とちと高い。
ところが、翌月の2009年の1月、使用されている補強材の一部に亀裂やゆがみが見られるため、運転が休止された。メルボルンは3日連続で気温が43度を超えるという記録的な猛暑で熱さが原因かと思われていたが、実はヒトデ型のデザインに問題があったのだ。こうして、出来上がった観覧車は残念ながら解体され、デザインを変えて、再度組み立てが始まった。
実はこの観覧車の建設は、大阪のサノヤス・ヒシノ明昌が請け負っており、豪州アルファジ鉄鋼建設会社がサノヤス・ヒシノ明昌を相手取り、追加補修費用661万豪ドル(約5億5千万円)と工事延長費用792万豪ドル(6億5千8百万円)の支払いを求め豪州で訴訟を起こしたのである。
サノヤス・ヒシノ明昌は、2010/12/27には、『当社は、ASC社の主張はいずれも根拠がないものであると考えており、今後、これらの請求を棄却し、当社に非がないことを明らかにするべく、適切な防御を行っていく所存です』と突っぱねていた。
ところが2011/3/4、『当社は、補修工事の進捗を加速させる観点の重要性にも鑑み、ASC社と和解交渉を行った結果、ASC社が提供する役務の代金(本件訴訟で請求されたものと請求されていないものを含む)に、工事の進捗を促すためのインセンティブ支払いを加えて、総額15,350,000豪州ドル≒1,281百万円)の支払い(支払可能性を含む)を行うことで合意し、ASC社との間で修正工事請負契約を締結しました』と13億円弱を支払うと和解したのだ。
デザインも当然ながら、サノヤス・ヒシノ明昌なので再工事のリスクも全て背負うことになろうが、本工事はかなりの赤字を抱えることになる。上記和解金額に関しては、経営には影響なしとしているが、これからの支出についてはどうなのか?また、休止期間の補償はどうなっているのか?
いずれにしても、開業中に事故でも起きれば、一企業の問題ではなく、日本国家の問題に発展するやもしれない。それにしても、NZのあの倒壊したビルの建築業者はどうなっているのか?
サノヤス・ヒシノ明昌の作った観覧車↓パレットタウンの観覧車も同社によるものである。
http://www.sanoyas.co.jp/business/land/leisure/product/index.html
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