写真はワチラロンコン皇太子の乗ったボーイング737型機/YouTubeより
http://www.youtube.com/watch?v=Sh-ggSKUEr4
7月12日、ドイツの破産管財人がタイの皇太子の乗ったロイヤルジェット機をミュンヘン空港で差押えた。独タイの外交問題になるのも省みず、差し押さえた管財人はある意味で凄い。管財人の鑑である。
2005年4月に破綻したドイツの建設会社「Walter Bau」の管財人である。「Walter Bau」は1865年創業、ドイツではNo3の建設会社であった。同社の売上は、2004年度3283億ユーロ≒36兆8243億円、従業員は9367名と堂々たるもの。
タイの皇太子の評判は頗る悪く、ラーマ九世の後を継ぐとしても国内の混乱は益々激化する。今回のドイツ訪問も正規外交ではなく、お忍び旅行であり、皇太子が乗っていようといまいと遠慮なく、差押ができた次第である。
タイの支払わねばならぬ債務は26kmの有料道路ブロジェクトで、「Walter Bau」の債権は、3000万ユーロ≒33億65百万円以上と言われている。
ボーイング737型機の価格は、2005年当時、中国の買い付け価格は5775万ドル≒45億7240万円と言われており、中古でどれくらい価格が下がるのか分からないが、道路工事代金とちょうど釣り合うのであろう。
そこで、管財人は辛抱強く、プライベートでタイからやってくるのを待っていた訳だ。
しかし、いくらプライベートとは言え、一国の次世代国王の乗ったジェット機を差し押さえるのであるから、法律的にはどうあれ、外交上の問題となるのは必至である。
これが、我が国で北朝鮮のジェット機であったらどうなのか?北朝鮮が日本の商社に金を払わないことも度々あったが、同じように北朝鮮のプライベートジェット機を差押する日本商社があるだろうか?また、それを日本政府は認めるであろうか?
北朝鮮のことだから、すぐにこの差押状態を宣戦布告とみなすであろう。
さて、タイの反応は???
【IZA7/14-タイ皇太子機差し押さえ 独建設会社とトラブル】
タイのワチラロンコン皇太子が使用しているボーイング737型機が13日までに、ドイツ南部ミュンヘン空港で差し押さえられていたことが分かった。DPA通信などが伝えた。
約20年前のバンコク市内と空港を結ぶ道路建設で、タイ政府とドイツの建設会社との間の費用支払いをめぐるトラブルが原因。建設会社側によると、タイ側が契約違反を繰り返したため、巨額損失で倒産に追い込まれたという。
建設会社の破産管財人によると、タイ側の債務は3千万ユーロ(約33億5千万円)以上。差し押さえは「最後の手段」としている。(共同)
コメントする