写真は1984/12/3、米ユニオン・カーバイド社のボパール工場から有毒ガス(MIC)が流出し亡くなった子供たち/YouTubeより
インド、ボパールで1984年12月2日から3日にかけて約40tものMIC=イソシアン酸メチルがスラムへと流出し、数日で1万人が死亡、最終的には1万5千人以上が亡くなっている。その後、生まれた子供たちにも障害が発生し、55万人以上が後遺症で苦しんでいる。
当時のユニオン・カーバイド社のウォーレン・アンダーソンCEOはボパール最高裁判長により1992/2/1逃亡犯として宣告されている。米国はアンダーソンの引き渡しを拒否している。
以下は2002年11月、NYのロングアイランドに住んでいるところを発見されたウォーレン・アンダーソン元CEO↓
イソシアン酸メチルは殺菌剤、防かび剤、防汚剤、殺虫剤、防虫剤に使われている。非常に毒性が高く、0.4ppmの低濃度でも吸引すれば、咳、胸部疾患、呼吸困難、喘息などの症状があらわれ、眼、鼻、喉、皮膚に損傷を受ける。21ppm以上の高濃度にさらされた場合、数時間後に肺水腫、肺気腫、肺出血、気管支炎などを起こし、死に至る場合もある。イソシアン酸メチルのにおいが感じられるのは5ppmからである。
【IZA1/29-有毒ガス流出企業はスポンサーNO コミッショナーが抗議の辞任】
ロンドン五輪の準備や運営状況を監視する英国の団体の女性コミッショナー(委員)が25日、辞任した。大会の組織委員会が、米化学大手ダウ・ケミカル社とトップスポンサー契約したことへの抗議が、辞任の理由だ。ダウ・ケミカルは、1984年にインド中部のボパールで約2万人の死者を出した有毒ガス流出事故を起した企業の親会社だが、被害者らの追加補償の要望に応じず、「事故は既に解決済み」との立場を曲げていない。辞任に触発されて、「インド五輪委員会が大会ボイコットを検討か」とも報じられ、波紋が広がっている。
辞任したのは、ロンドン市が委員を任命して構成する「サスティナブル・ロンドン2012委員会」のメレディス・アレクサンダーさん。サスティナブルとはロンドン五輪の基本コンセプトで、「持続可能な」「環境に優しい」といった意味を持つ。ロンドン市のボリス・ジョンソン市長に辞表を提出したアレクサンダーさんは英BBC放送に「委員会の一員でいることは、ダウ・ケミカルを是認することになる。それは到底受け入れられない」と語った。
1984年12月2日、ボパールにあった米ユニオン・カーバイト社の現地法人の殺虫剤工場から何千トンもの有毒ガスが流出。事故直後に7000人以上が、その後に1万数千人が死亡し、今なお、50万人以上が後遺症に苦しんでいるとされる。99年にユニオン・カーバイトを買収したダウ・ケミカルは、89年に合意された4億7000万ドルの補償金の支払いで事故補償は完了済みと主張、一切の追加補償を拒否している。
「世界最大の産業事故である“ボパールの悲劇”を忘れてはならない。これほど人の権利が踏みにじられていて、私は無為無策ではいられない」とアレクサンダーさん。
■印もボイコット検討
辞任劇はインドでも報じられ、英メディアは「インドの政治家たちが大会ボイコットをも検討」(国際オリンピック委員会は否定)と伝えた。経済優先の五輪からのターニングポイントになり得るのか。
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