写真は艾未未氏/看中国より、艾未未批评中国刑事诉讼法=艾未未、中国の刑事訴訟法を批判
中国の有名な芸術家の艾未未氏は、水曜日の人民代表大会での刑事訴訟法の修正案に関して鋭く批判をしている。この新しい法律により、警察側は政府への批判者を最長半年間にわたり秘密裡に拘禁することができ、また、家族にも知らせる必要もない。
艾未未氏は14日、北京でドイツ通信社のインタビューに、『この改正刑事訴訟法は“不法”だ。それは国連の公約に背くだけではなくて、基本的人権と道徳的基準にも背いている。この新しい法律は警察側の擁護であり、多くの勝手なむちゃくちゃなことをできる口実を与えている。新しい法律の実施は社会に恐慌を誘発する。最大の問題点はこの法律が権力を握る1党の手で掌握されることにある。裁判所、検察院は警察側で、それらは全てグルである。これに関していかなる監督官庁も存在していない。不法行為に対して質疑を出す人などいない。』と答えている。
《南ドイツ新聞社》は、中国政府に異議のある人の立場は、今後もっと困難になるであろうと予測する。昨年、中国の人権主義者の多くが行方不明になっており、その行方不明期間は数か月になる。艾未未氏も昨年、警察側に秘密裏に2か月間拘禁されている。
中国のネット利用者からはこの法律に関して直ちに激烈な討論が展開された。しかし、審査機関に禁止され、すぐにネット討論ができなくなる。また、人民代表大会代表は慌ただしく法律を決めており、審議するまもなく、採決しなければならなかったと答えている。
所謂、ドサクサまぎれに決めた法案であり、わが国の「人権救済法案」も同じようにならぬよう気を付けたい。
今までやっていたことが、おおびらにできるようになるだけで、何ら変わっていないことは理解しておきたい。1党ですべてを掌握する恐怖はわが国の民主党でも味わった筈だ。どこの国の政府が分からぬ組織が日本を統治する恐怖は二度と味わいたくない。
【IZA3/15-中国、刑訴法改正…「歴史的悲劇」再来の懸念】
【北京=川越一】14日に閉幕した中国の全人代で、16年ぶりに刑事訴訟法が大幅に改正された。総則に「人権の保障と尊重」を掲げる一方で、当局の意向次第で秘密拘束も容認する改正刑訴法は、温家宝首相が懸念する「文化大革命のような歴史的悲劇」を引き起こす元凶になりかねない。
改正刑訴法は、国家の安全を脅かす犯罪やテロ、深刻な汚職の容疑者を自宅以外の場所に置いて監視することを容認している。家族への拘束通知を義務づける項目には「通知不可能な場合を除き」というただし書きがあり、当局の判断によって極秘裏に拘束できることになる。
この改正案について、インターネット上で事前に行われた調査では、回答者の97・2%が全人代の関心事に挙げた。専門家からも反対論や手続き上の問題点を指摘する声が相次いだ。採決では反対160票、棄権57票の批判票が集まったが、賛成2639票で押し通された。
改正刑訴法では、1審、2審で死刑を宣告された被告人に、最高人民法院(最高裁)での陳述機会を保証。拷問など違法な取り調べで得た証言を裁判の証拠から除外するとし、年間数千件ともいわれる死刑の削減や人権保護を促進する姿勢を繕っている。
しかし、5年に1度の共産党大会を今秋に控える中国では、国内の民主活動家、人権活動家に対する不当拘束や暴行が急増しているとされる。
くしくも、当局の宗教弾圧に反発するチベット仏教僧らによるチベット騒乱発生から4年を迎えた日に、弾圧強化を合法化するかのような改正案が承認されたことになる。
活動家らの活動や民族運動を抑止する意図が隠せない改正刑訴法は、一党独裁体制の堅持と社会の安定維持を最優先とする胡錦濤政権の“置き土産”のようにも映る。
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