写真、新郎はシーア派のニダル氏、新婦はスンニ派のホルードさん/YouTubeより、どうぞお幸せに・・・
どこかにシーアとかスンニと書いてあるのかな?まぁ、こうした話はイスラムだけでなく世界中にある。レバノンの宗教占有率は、スンニ派27%・シーア派27%・マロン派21%・ギリシャ正教8%・ドルーズ5%、レバノンではスンニ派とシーア派が27%同士だから、結婚する確率だって少なくない筈だ。ちなみに両親がレバノン人のカルロス・ゴーン社長はマロン派(東方典礼カトリック教会の一派)
【IZA2/27-シーア派の夫とスンニ派の妻 「異宗派結婚」の壁】
【世界おもしろ法律事典】
多くの宗教・宗派が混在するレバノンで昨年11月、1組のカップルが当局に結婚書類を提出した。新郎のニダルさんはイスラム教シーア派、新婦のホルードさんはスンニ派。このニュースは同国で大きな議論を呼び起こした。
宗派主義をとるレバノンでは、公認されている18の宗教・宗派ごとに婚姻の手続きが定められているため、宗派が異なる男女が結婚することはできない。それでも結婚したいカップルは、どちらかが相手の宗派に改宗するか、キプロスやトルコなどで結婚し本国で夫婦として登録し直すという「抜け道」(弁護士)をとらざるを得なかった。
ところが、ニダルさんとホルードさんは、国内で正式に夫婦となる道にこだわった。弁護士と相談し目をつけたのが、フランス委任統治下の1936年に発布された、公認宗派に属さない人の結婚に関する法令。2人は身分証明書からそれぞれの宗派を削除して表向きは特定の宗派に属さない身となった上で、結婚の手続きを取ったのだ。レバノンでは初の例だった。
同国では内戦終結後の1990年代以降、宗派間の融和機運が徐々にではあるが高まったこともあり、異宗派結婚の容認を求める声が高まった。しかし、各宗派の保守層の反発は強く、議論は進んでいなかった。
そんな中、異宗派結婚に正面から挑んだ2人のニュースは反響を呼んだ。スレイマン大統領は短文投稿サイトのツイッターで「宗派主義を乗り越えるために法整備が必要だ」と訴えたのに対し、宗教界からは慎重な意見が相次いだ。
結局、現地からの報道によると、法務省は今年1月、結婚書類を受理しないことを決定。2人の前にはなお、厚い宗派の壁が立ちはだかっている。(カイロ 大内清)
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