
写真はバイエル社のネクサバール
【USFRONTLINE6/7-肝臓がん治療で画期的発見~既存薬が進行食い止める】
既存の腎臓がん治療薬「ソラフェニブ」には肝臓がんを抑制する効果もあり、同がん患者の生存率を高められるという国際的な調査結果が、シカゴで今週開かれた米腫瘍(しゅよう)学会で発表された。世界では年に50万人以上が、治療が難しい肝臓がんの診断を受けている。
AP通信によると、調査を行ったのは、マウントサイナイ医学校(ニューヨーク)およびスペインの病院に所属するジョセフ・リョベット医師ら。複数国で進行した肝臓がん患者602人にソラフェニブと偽薬を与えたところ、毎日ソラフェニブを摂取した患者が10.7カ月生存したのに対し、偽薬の患者の生存期間は8カ月だった。まだ生存している患者もいる。
ソラフェニブには、がん細胞を攻撃するとともに、腫瘍への血流を止める作用がある。肝がん患者の調査では腫瘍が縮小、消滅することはなかったが、多くの患者でがんの成長が抑えられた。肝臓内外に転移した腫瘍に対しても同様に作用すると考えられるという。
2005年3月に始まった調査は、好ましい結果を受けて予定より早く今年2月に打ち切られ、偽薬を与えられていた患者はソラフェニブに切り替えられた。リョベット医師によると、生存期間にこれほどの差が表れるのは、肝臓がんでは「初めて」で、抑制効果の発見は「同がん治療における快挙」だという。
ソラフェニブは「ネクサバール」というブランド名で、米国を含む十数カ国で進行腎臓がんの治療薬として販売されている。今回の調査は販売元の独バイエルと米オニクスの資金援助で行われ、両社はこの薬を肝臓がん治療薬としても各国の医薬品当局に申請する予定だ。
◇唸声コメント
同薬は日本では未だ承認されていないが、2006/8/21厚生労働省が優先審査品目に指定した。ネクサバールは、米国、スイス、メキシコで販売され、チリ、ブラジル、韓国、アルゼンチン、カナダ、EU諸国で承認されている。日本ではいつになることやら。
個人代行輸入だと69万円もする↓(あくまでも参考)
http://www.irxmedicine.com/products/pdt.asp?p_unitid=40640
同薬と偽薬(プラシーボ)で患者の寿命が異なった。結果論故に偉そうなことは言えないが、患者の選択肢はあったのだろうか?肝臓がんがプラシーボで治るとは思えない。
米国の記事によれば、1ヶ月あたりの費用は5000ドル(やっぱり高い)、副作用は下痢と疲労とのこと。
http://newspostindia.com/report-2580
これだけ高価だと中国バージョンのネクサバールが出てきそうだ。
◇参考記事
【Canada.com 6/6-Cancer patient stabilized】
http://www.canada.com/reginaleaderpost/news/story.html?id=195bc445-5b81-417c-8691-2cf213d5155b
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