捕鯨先住民族を白人の勝手な理屈で拘束、アラスカOK、インディアンはNo?

写真左上はクジラに銛を刺すマカ族、左下は捕鯨リーダーWayne Johnson氏、キロTVより
右は50口径ライフルを持つWayne Johnson氏、シーシェパードより1999年のもの
左http://www.kirotv.com/news/14081358/detail.html
右http://www.seashepherd.org/whales/whales_world_Makah_articles.html
【USFRONTLINE9/12-クジラ殺しで米先住民拘束】
米沿岸警備隊は10日までに、西海岸のワシントン州沖合で、連邦政府の許可なく、コククジラ(体長約9メートル)を殺したとして、同州の先住民マカ族の5人を拘束、部族の警察当局に引き渡した。米メディアが伝えた。
マカ族はもともと捕鯨の習慣があり、1994年にコククジラが絶滅危惧種から外されたことを受けて、捕鯨再開を政府に求めてきた。99年に一度認められたが、その後は許可されず、強硬手段で捕鯨再開を要求したとみられる。
5人は最長1年の禁固刑を受ける可能性がある。拘束された1人は、捕鯨は先祖代々続いており、今回、コククジラを殺したことも「誇りに感じている」と地元紙に話しているという。(共同)
◇唸声コメント
拘束されたのはTheron Parker, Andy Noel, Billy Secor, Frank Gonzales Jr. and Wayne Johnsonの五人。CNNやミラーでは機関銃を使ったとしているが、M2 .50口径重機関銃がこんな柔な船には乗せられないだろう。1999年の写真と同じように50口径ライフルだと思われる。キロTVによれば、銃声を21発聞いていると言うのでまず機関銃ではなかろう。450~500発/分なので、3秒も撃てば25発は飛び出す。
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200709100014.html
記事において「誇りに感じている」と発言したのは写真のWayne Johnson氏、しかし、クジラに対してこんなでかい弾をぶっ放すのはどうかと思う。やっぱりクジラに対する畏敬の念があるのであれば、銛で戦うべきだ。これでは白人のハンティングと同じじゃないの?先住民も白人の血が多くなっているのか?
写真は.50 calibre machine gun
さて、マカ族と日本の接点は江戸時代に遡る。時は天保三年(1832年)、江戸に向けて鳥羽を出向した宝順丸が暴風に遭い漂流、14ヵ月後に米国西北端のフラッタリー岬にたどり着いた。14名居た乗組員も岩吉・久吉・音吉の三人だけとなっていた。
写真左はマカ族で後列はみな頭がデカイ、中はマカ族に略奪された宝順丸のレプリカ、右は音吉の肖像
左http://academic.evergreen.edu/curricular/ageofirony/aoizine/deb.html
中http://web.pref.hyogo.jp/contents/000021769.pdf
右http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E5%90%89
中のサイトにあるように、マカ族に助けられたとしてボーイスカウトのある団体が宝順丸のレプリカをマカ族に送っているが、マカ族が宝順丸を奪うために三人が捕らえられたとするものもある。
マカ族は三人を奴隷のようにこき使い、イギリス人に売り渡したところを見ると救助したとは言い難い。また、マカ族は三人を中国人だと思ったらしい。もっとも日本など知らなかったのかも知れないが。三人は日本人として初めて米国の地を踏んだことになる。
音吉達はその後、ロンドンを経由して1835年にマカオに到着、そこで世界初の邦訳聖書を完成させる。(その邦訳聖書が日本に届けられるのは23年後)1837年、薩摩の漂流民4名と那覇まで向かう。那覇で乗り換え、三浦半島に向かったのがモリソン号、日本人の乗った船が入港を拒まれ砲撃を受けたのが、有名なモリソン号事件である。結局、日本人でありながら、日本に帰れず、マカオへ戻される。
音吉は語学の才能があり、四ヶ国語を自由に話し、船で世界各国を旅した後、上海にて英国の貿易会社Dent & Beale Companyに勤務、そこで同じ職場のインド系英国人女性と結婚。一男二女を授かる。彼はまた、イギリス軍艦艇の通訳として二度日本を訪れている。
1867年、シンガポールのサナトリウムで永眠。
他の二人の消息だが、「岩吉」は妻に殺され、「久吉」は中国のイギリス貿易監督庁の通訳となり中国人女性と結婚。
三人がマカ族の奴隷でいたら、歴史に残ることもなかっただろう。
◇音吉伝(英語)
http://www.jmottoson.com/Otokichi-Story.htm
◇音吉ゆかりの宿、山本屋
http://www.yamamoto-ya.com/otokiti.html
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