写真は左がトルコのギュル大統領、右がアルメニアのサルキシャン大統領/ Today’s Zamanより、2008/9/6 Yerevan
『1991年の旧ソ連崩壊とアルメニア独立の過程で、アルメニアは東隣のアゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフ自治州の帰属をめぐる紛争に介入。これに反発したトルコはアルメニアとの国境閉鎖や外交関係の断絶を続けている』(産経)
実に17年ぶりの外交再開、それ以前の第一次大戦末期、オスマン・トルコによるアルメニア人迫害問題は、現代までその影響を残しており、しこりは簡単に取れそうにない。今回、本音はどうあれ表面的な雪解けは両国のエネルギー問題にある。
図はカスピ海から地中海へのBTCパイプラインの概要/エネルギー資源庁より
カスピ海から地中海へのパイプラインはこの図を見てお分かりのようにアゼルバイジャンからアルメニアを迂回し、グルジアを通ってトルコに入ってくる。
既にご承知のようにロシアのグルジア侵攻により、グルジアを通るハイプラインには不安が残る。そこで、トルコはアルメニアルートを考えざるを得なくなったのだ。アルメニアにとっても、迂回されていたパイプラインが自国を通るのだから、国益にも繋がる。
そこで、両者の握手となった訳だ。国際関係評論家の宮崎正弘氏は「ぎこちない握手」と評したが、背に油は変えられないと言ったところか?また、宮崎氏はトルコのEU加盟を挙げておられる。アルメニアとの和解で地歩を固めることができる。
尚、このBTCパイプラインは我が国の伊藤忠石油開発が4%、国際石油開発が10%の権益を有しており、決して他人事ではないことを忘れてはならない。
Today’s Zaman 9/7-Soccer diplomacy brings Turkey's Gül to Armenia
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