写真はダライラマ法王とオバマ氏(2005年)/チベットニュースより
オバマ新大統領の初めての賓客がダライラマ法王と言うのもとても面白い。
中国の僕である某新聞社が本音で載せた「五輪前 どうにも邪魔な 生き仏」が思い出される。中国にとってダライラマ法王は目の上のタン瘤どころか、悪魔と呼んでいるほど邪魔な存在。
「五輪後も なんとも邪魔な 生き仏」ってところが、中国の本音だろう。
中国寄りと言われるオバマだが、ダライラマ法王と会見し、中国に楔を打った。単なる人権意識で会見をしたのではあるまい。これからの中国との外交を考えてのことに違いない。
相手の嫌なことをしないと言う天下のバカ宰相が居たが、こんなことを言っていたら外交は成立しない。飴と鞭の使い方で飴はより甘くなるし、鞭はきつくなる。
日本のメディアもオバマ大統領誕生でよろこんでいるが、米国にとってどうであれ、日本にとってはマイナス面が今後出てくるであろう。財政難の国政を立て直すためにクリントンのやったようなことも試みられるかもしれない。
ダライラマ法王との会見しかり、きれいごとでは政治は成り立たない。
しかしながら、ダライラマ法王の外交術は素晴らしい。まつりごともきれいごとでまとめてしまう。
Tibetan News & Culture11/7-HIs Holiness the Dalai Lama & Tibetan Parliament in Exile Congratulate Barack Obama
http://www.tibetcustom.com/article.php/20081107073149110
【宮崎正弘の国際ニュース早読み11/7-オバマ次期大統領がダライラマと会見】
6日、オバマ次期米国大統領は、おりから訪米中のダライラマ法王と会見した。
当選直後にあった外国人賓客の第一号がダライラマ法王であったことは、オバマ外交の未来を占う上で重要なヒントを与えてくれる。
ダライラマは中国の人権弾圧と宗教の自由への弾圧、高度の自治の要求などを簡潔につたえて、さらなる理解と支援をもとめた。
上院議員時代にもっともリベラルだったオバマは、人権問題でもっともうるさい活動家でもあった。
中国との関係がブッシュ時代の蜜月ムードから数歩の後退をみせるか、どうか。北京が神経を尖らせている最中の会見となった。
同ニュース11/8より
(読者の声3) 一つ面白い情報に気がつきました。
オバマ氏が当選後の11月6日、カナタ、フランス、英国、日本、韓国、オーストラリア、ドイツ、イスラールの9カ国の首脳と電話会談を行いましたが、唯一、中国首脳とはやっていません。それは一体何を意味するのか、先生の分析をお聞きしたいと思います。 (HI生、神戸)
(宮崎正弘のコメント)おそらくダライラマ法王と面会したことへの抗議でしょう。
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