写真は燃えた人民元/網易論壇2009/10/28より
http://bbs.news.163.com/bbs/photo/155043395.html
【浙江省杭州市】10月22日、午後4時46分、鳳起路と環城東路の交差近くのマンションで火災が発生し、11階と12階の240平米を全焼した。15台の消防車が出動し、午後6時に鎮火した。
幸いにも死傷者はなかったものの、財産を全て焼かれた王さん、頼みの綱は金庫の中のお金であるが、写真にあるように黒こげ状態だ。いくらあるのかは他の記事でも書かれていないが、同論壇のタイトルは100万元とあり、黒こげの100元札の束を見るとそのぐらいはありそうだ。
金庫もオカラだったのか?1時間15分の延焼時間でこのような黒焦げでは金庫の役目は果たしていない。耐火金庫ではなかったのか?耐火2時間金庫であれば、たぶん問題は無かったかもしれない。以下は日本の規格である。
『標準加熱試験(JIS:日本工業規格)について
1時間耐火927度、2時間耐火1070度
金庫を炉内で標準温度曲線に従い規定時間加熱した後、炉の火を止め、高温の炉内に放置する。
一般用紙/金庫内部の温度が177℃以下または中に入れた新聞が判読できること。』
紙の燃える引火点はレイ・ブラッドベリの小説ではないが「華氏451」つまり摂氏232.8度、耐火金庫であれば、直接火に触れないので、発火点となるが、新聞紙の発火点は291度、模造紙は450度であり、庫内温度が177度以下であれば、燃え出すことはない。
王さんがもし2時間耐火金庫を使っていたら、中国工業規格?では焦げても、日本工業規格では焦げない。中国の金持ちは、日本の金庫を買ったらどうかな?
さて本題、この焦げたお金はどうなるのか?上記サイトに書かれているものをご紹介しよう。
◇一部破損紙幣の交換基準
・ 欠損部分が1/5以下であり、残った部分が図案・文字がハッキリしているもしくは元通り繋がっているものは額面と同額の紙幣と交換できる。
・ 汚れ、すすけ・焦げ付き、水濡れ、油漬かり、変色したもの紙幣(但し本物と識別可能なもの)で、欠損部分が1/5以下であり、残った部分の図案・文字がハッキリしているもしくは元通り繋がっているものは額面と同額の紙幣と交換できる。
・ 欠損部分が1/5より1/2未満であり、残った部分が図案・文字がハッキリしているもしくは元通り繋がっているものは額面の半額の紙幣と交換できる。
・ 欠損部分が1/2以上であるもの/汚れ、すすけ・焦げ付き、水濡れ、油漬かり、変色した紙幣で本物と識別できないもの/つぎはぎ・書き直し・切り貼り・表面を剥がしたものは交換できない。
・ 交換できない紙幣はパンチを開け、流通させない。
日本の場合は、銀行券が破れたり、燃えたりした場合には、「表・裏両面があること」を条件に、残っている面積を基準として新しいお札との引換えを行っている。
・ 面積が2/3以上の場合は全額として引換え。
・ 面積が2/5以上、2/3未満の場合は半額として引換え。
・ 面積が2/5未満の場合は銀行券の価値は無く失効。
本物との識別の表現がないが、これは当たり前のこととして省かれている。ニセ札天国(地獄か)の中国とは大違い。
韓国の場合も、残った面積で判断される。当然ながら、焼け残った灰も面積となる。
・ 面積が3/4以上の場合は全額として引換え。
・ 面積が2/5以上、3/4未満の場合は半額として引換え。
・ 面積が2/5未満の場合は銀行券の価値は無く失効。
なによりも大変なのは、焦げた紙幣をチェックして数える行員である。扱いも難しいし、なにしろ焦げた紙幣が精巧なニセ札であることもあるのだから。
ところで、使えなくなった紙幣はどうなるのか?日本の場合はシュレッダー屑として、半分がリサイクルにまわり、残りは焼却処分となる。
問題はその焼却処分、今の釜は高温なので臭いも出ないかも知れないが、その臭いたるや紙の燃えた臭いではないそうだ。聞くところによると、人を焼いたにおいと同じだとか???お金には人間の血と汗と脂がいっぱい付いているのだから、ひょっとするとそうなのかもしれない。
中国の紙幣は小額紙幣もあり、日本と比べ物にならないほど痛んでいる。この紙幣を焼却処分すると一体どんな臭いがするのだろうか?中国紙幣(第五版)の肖像画は全て同一人物だが、中国人の血と汗と脂以外に何億人もの思いが宿っており、強烈なニオイがするであろう。でも、そのニオイを嗅ぎ付けて、またたくさんの人間が集まってくる。
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