■唸声中国/マブチモーター、深センから撤退しベトナムへ

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以下はマブチモーターのニュースリリース

当社子会社の重要契約の終了に関するお知らせ(2010/1/28)

当社は、平成22128日開催の取締役会において、連結子会社であります萬寶至實業有限公司(香港)と深セン市宝安区外経発展総公司との委託加工契約について、契約期間満了となる平成2212月を以って契約終了とすることを決定しましたので、下記のとおりお知らせします。

 

契約終了の理由

萬寶至實業有限公司は、広東省において、委託加工契約に基づく3箇所のモーター生産拠点を有して、主として中国華南地域の顧客に対するモーターの供給をしております。

上記広東第二工場における委託加工契約は平成2212月に満了となりますが、深セン市における来料加工廠の今後の継続可能性が制度面で不透明であることから、安定的な供給体制に万全を期するとともにグループ経営効率を高めるためには、製造基盤の再構築が欠かせないものと判断し、現行契約期間の満了を以って契約を終了することを決定いたしました。今後、同委託加工工場の生産は広東省内の他拠点、及び増強いたしましたベトナムダナン工場へ移管いたします。

これを契機とし、かねてから推進している生産拠点の再編を加速させ、競争力を一層強化してまいる所存です。

http://www.mabuchi-motor.co.jp/ja_JP/news/n2010_0128.html

 

ニュースリリースの解説

マブチモーターが深センから撤退する理由である「来料加工」についてであるが、これは原材料を中国に無償で提供、中国で加工後、日本へ無償で引き渡し、日本は中国へ加工賃を支払うというもの。

 

日本にとっては大変にメリット(投資が不要、法人として経営する煩わしさがない、撤退も容易)があるが、中国側は労働力と場所を提供するだけでエネルギーや環境汚染問題がついてまわり、外資を呼び込むことには成功したものの、ツケも大きかったと言える。

 

そこで、「両高一資」と呼ばれる高エネルギー消費、高汚染、資源型の商品が、「来料加工」の禁止類商品となり、現在では1400品目が指定を受けている。

 

そこに増値税の改革が加わり、「来料加工」企業はさらに打撃を受けることになる。従来、「来料加工」工場は法人格のない企業であり、固定資産購入時の仕入れ増値税控除を受けられず、独資法人化が求められていた。

 

深セン市では、この独資法人化を加速させるために、法人格のない来料加工企業には、昨年末から営業許可証の延長発行を停止していたのだ。これが、マブチマーターの言うところの不透明な要素である。

 

結論としては、深セン市は一定条件を満たしていれば、延長発行を認めることになったのだが、こと既に遅し、この延長もいつまで続くか分からず、他の外資も中国から撤退を始めるであろう。

 

09年末現在で、深セン市で実質的に運営している来料加工企業は4,020社。昨年通年の来料加工による深セン市の輸出は138億米ドル(約12,400億円)としているが、未だに法人化されていない企業も多く、この数値がどれだけ正しいかは不明。

 

マブチモーターの移転は中国にとってかなり大きな問題となるであろう。来料加工企業の非法人化のままでグレー資金に目を瞑るか?それとも独資化を勧め、税の捕捉をするのか?いずれにしても、営業許可証の延長のレベルでは、今後も中国からの外資の撤退は加速する。

 

 

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唸声


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このページは、唸声が2010年1月29日 23:55に書いたブログ記事です。

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