
写真左はテイザー銃で撃たれ苦しむRobert Dziekanskiさん、中は撃たれる前のRobert Dziekanskiさん10時間も待ち続けてイラついている、右はビデオを撮ったPaul Pritchardさん/YouTubeより
Vancouver Airport - Robert Dziekanski's Taser Death (Full)↓
http://www.youtube.com/watch?v=1CR_k-dTnDU&feature=related
Man's stun gun death caught on tape police tazer taser↓
http://www.youtube.com/watch?v=zZOt4xYvLSk
【AFP11/17-一瞬のすれ違いで生じた悲劇、ポーランド人移民がカナダ警察に撃たれ死亡】
カナダの空港で、警官が用いたテイザー(Taser)銃と呼ばれるスタンガンで撃たれたポーランド人男性が死亡する様子を映したビデオをめぐり、スタンガン使用の是非を問う論議が高まっている。ポーランド政府は15日、カナダ政府に正式に抗議し、事態を重くみたカナダ政府は同日、テイザー銃の使用を再検討するよう指示した。
カナダ在住の母親と同居するため、10月14日に同国西部バンクーバー(Vancouver)の空港に到着したRobert Dziekanskiさん(40)は、待ち合わせ場所の行き違いと言葉の不自由さから空港内で10時間、1人で母親を待ち続けた後、精神的に錯乱し騒動を起こした。その後、取り押さえようとした警官が繰り返し放ったテイザー銃を受けDziekanskiさんは死亡した。
テイザー銃はワイヤーにつながれた電極を発射し、当たった標的に高圧電流を流すスタンガンの一種。
◆ポーランド大使も事件を問題視
Piotr Ogrodzinski駐カナダ・ポーランド大使はAFPの取材に対し、「事件に衝撃を受けた。警官のとった行動は問題の起きた状況で不適切だった可能性がある」と述べた。同大使は事件の経緯について調査結果を開示するようカナダ政府に正式に申し入れ、カナダの警察苦情処理委員会の関係者とも面会したという。
◆ビデオの内容
問題のビデオは、現場にたまたま居合わせたカナダ人旅行者のPaul Pritchardさんが撮影したもの。現地警察は当初、ビデオの返還に応じなかったが、Pritchardさんが法的手段に訴えたことで、事件から1か月を経てようやくビデオを返還した。
ビデオの録画内容は以下の通り。
空港内で錯乱したDziekanskiさんが歩き回り、ある場面では机の上のコンピューターを床に投げつける姿が映っている。空港保安要員の「ロシア語を話している」との言葉の後、4人の警官が現場に駆けつけるとDziekanskiさんは警官に背を向け両手を上げたが、片手にはホチキスのようなものを手にしていた。
警官はDziekanskiさんに近づき、テイザー銃を繰り返し発射。Dziekanskiさんは床に倒れ苦悶の叫びを上げるが、警官に身体を抑えつけられ、数分後に動きを止めた。
◆カナダ警察は国民に理解呼び掛け
カナダ連邦警察(Royal Canadian Mounted Police、RCMP)のDale Carr報道官は、殺人捜査課による捜査は今後30日から45日続くと述べている。同報道官は、事件にかかわった警官が当時の状況と行動について説明するまでは、ビデオの内容だけから早急な判断をすべきではないと国民に理解を求めた。
◆一瞬のすれ違いが生んだ悲劇
ポーランドの小さな町Pieszyceを初めて出たDziekanskiさんは、外部からは入れない税関で母親を10時間待っていた。母親は壁1枚を隔てた反対側におり、空港スタッフに息子の所在を尋ねたが正しい答えが得られず、あきらめて帰っていた。(c)AFP/Deborah Jones
◇関連ニュース/AFP11/21米テイザー、カナダ空港での死亡事故について「スタンガンは無実」
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2315107/2377471
◇唸声コメント
悲劇は言葉が通じないことから起こった。異国で10時間も待ち続けた挙句、説明されても言葉も分からず、イラつき暴れだした。しかし、ビデオでも分かるが、それほど危険とは感じられない。
但し、セキュリティーから言葉の通じる警官へは「空港で男が暴れている」「コンピュータを投げつけた」との報告があり、警官は必要以上の警戒感を持っただろう。警官へはRobert Dziekanskiさんが10時間も待たされていることや母親のことはきっと知らせていないだろう。
こうして総合的な判断のできぬままにテイザー銃が使用された。「空港・暴れた」このキィワードだけでテイザー銃の使用を躊躇することはないであろう。初回の電撃でRobert Dziekanskiさんは苦しみのあまり暴れたが、これが第二第三のスタンガン攻撃に繋がったと思われる。何とも惨い。
「自分は母親を待っていただけだ」この言葉が通じれば、今回の悲劇は起きなかった。オシム監督もフランスではなく、日本の救急車をすぐに呼んでいたら・・・。