

写真はBatrachochytrium dendrobatidis Flickrより 車より怖いツボカビ
【USFRONTLINE2/16-ツボカビ症からカエルを守れ~世界の科学者が団体設立】
『真菌の一種ツボカビが原因で、世界中のカエルが絶滅の危機にさらされている。このため15、16の両日、世界各国から米国アトランタに科学者らが集まり、カエルをツボカビ症から守るための団体「両生類の箱舟(Amphibian Ark)」を設立した。真菌はカビ,酵母,きのこなど細胞の構造が動植物と同じ真核細胞生物の総称。
AP通信によると、ツボカビ症はカビが皮膚に寄生して皮膚呼吸が阻害される病気。感染したカエルは脱水症状を起こして死に至る。2006年12月、日本で初めてツボカビ症によるカエルの死亡が確認され、国や研究団体が対策に乗り出した。ドミニカでは、えさとなるカエルの死滅により、野生のニワトリが絶滅の危機にさらされている。
今回結成された団体「箱舟」の目的は、世界中に分布する6000種以上のカエル、サンショウウオなどの両生類を絶滅から守ること。科学者らによれば、過去10年間でツボカビやほかの原因で170種以上のカエルが絶滅、現在も1900種が絶滅の危機にあるという。
カリフォルニア州ヨセミテ国立公園では、キアシアルキガエルが絶滅寸前だ。公園内には650匹しか生息していないが、うち85%がツボカビに感染しているという。
カエルが大半を占める両生類は、食物連鎖で重要な役割を果たしている。ほかの動物が食べない虫を食べ、水中動物と陸上動物の接点でもある。両生類がいなくなれば、虫害が発生することは間違いない。
両生類は医療にも貢献しており、鎮痛剤となる化学物質を生成する種や、エイズウイルスの働きを阻害する化学物質を生成する種が両生類に存在する。
団体「箱舟」は、各国の動物園、植物園、水族館に対し、絶滅の危険性があるカエルの種を最低500匹隔離し、ツボカビ症から守るよう呼びかける。隔離事業には4億ドルから5億ドルの費用がかかる見通しだが、事業はあくまで一時的な措置であり、同時に対処法の研究を進める。
ツボカビ症の発生地は不明だが、アフリカとの見方が強い。ツボカビに感染しながら、自身は免疫ができたアフリカツメガエルが、実験などの目的で世界中に輸送されたためと考えられる。』
◇唸声コメント
ドミニカの野生のニワトリにはびっくり。彼らにとっては餌がなくなってしまうのだから、トリインフルエンザよりも怖いかもしれない。
人には感染しないと言われているが、鳥インフルエンザウィルスのように変異することも考えられる。ペットに関して考えるいい機会となろう。
【WWF2007/1日本語-ツボカビ症に関する解説書】
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/biodiv/alien/chyt2007/hwto20070113.htm
【Livescience2/15-'Amphibian Ark' Planned to Save Frogs】
http://www.livescience.com/animalworld/070215_ap_amphibian_ark.html
【Amphibian Ark HP】