写真は首相のFredrik Reinfeldt氏と閣僚のAnnie Lööf氏/YouTubeより
ステージ向かって右の奥から
穏健党 Fredrik Reinfeldt (スポーツ選手?タレント?スウェーデンの首相です)
中央党 Annie Lööf (29歳には見えません)
自由人民党 Jan Björklund (歯が特徴的でまるでコメディアン)
キリスト教民主党 Göran Hägglund (鼻で笑っています)
ステージ向かって左の奥から
社会民主労働党 Stefan Löfven (この国で一番古い政党、社会主義者)
緑の党 Gustav Fridolin (代理なのかな?党首は29歳、まるでコナン状態)
左翼党 Jonas Sjöstedt (元は共産党、そんな顔かな)
民主党 Jimmie Åkesson (移民反対の正論派)
【IZA11/7-スウェーデン 29歳女性閣僚「政治の力が必要」】
10月上旬、スウェーデンの首都ストックホルムの会議場。舞台の上にマイク付きヘッドホンを着けた若い女性がさっそうと現れた。日本でいえば経済産業相に当たる企業相のアニー・レーブ氏。まだ29歳だ。
■男女平等で世界1位
「現在、若者が住宅を買おうとしても、親の援助がないと手が出ない。政治の力が必要です」
この日開かれていたのは若者の住宅問題に関するセミナー。レーブ氏は司会者からの質問にも気後れすることなく、堂々とした振る舞いを見せた。
スウェーデンは歴史的に男女平等を尊ぶ考え方が強く、国連開発計画が国会議員の男女比や女性の就業率などをもとに算出した男女平等に関する指数(2011年)で世界1位(日本は14位)。
主要政党は選挙で比例候補者名簿を男女半々にするなどしており、現在、閣僚24人のうち女性が過半数の13人を占める。
連立与党第3党の中央党党首でもあるレーブ氏は「女性が男性と同じように能力や知識を社会に生かすのは当然のこと」と話す。女性であることを特別視する雰囲気は、この国にはほとんどない。
■最年少で党首も兼務
若者の政治参加意識が高いのも特徴だ。スウェーデン南部バーナモー郊外の農園地帯で生まれたレーブ氏も、学生時代から政治に興味を持ち、18歳で中央党の党員に。翌年にはバーナモー市議に就任し、大学に入学したのはその後。在学中の06年に23歳で国会議員に初当選した。
政界では各党が新鮮なイメージを打ち出そうと、若い党首を選ぶ傾向が強まっており、レーブ氏は時流にも乗った。昨年9月に党首に選ばれた後、企業相に就任。現職の閣僚、党首では最年少で、昨今のスウェーデン政界を象徴する存在だ。
■「夫が育児休業」
昨年7月に結婚した夫のカールさん(33)は、大手自動車メーカーで働く技師。子供ができても、閣僚や議員を辞めるつもりはない。「もし企業相在任中に出産したら、夫が育児休業を取って、私は朝晩や週末にできるだけ育児する、という形になるかしら」と事もなげに言う。
だが、レーブ氏はこの夏、思わぬ逆風にさらされた。公費を党のスタッフとの飲食に不適切に使っていたことが地元紙に報じられ、中央党の支持率は低下。14年の次期総選挙では、議席を大きく減らす恐れも出てきた。
「(不適切支出については)いくつかミスが見つかり適正に対処した。閣僚としてきちんとチェックしていくことが重要だと思う」。この問題に話が及ぶと神妙な顔を見せたレーブ氏。信頼回復に向け奮闘が続く。
(ストックホルム 共同/SANKEI EXPRESS)
◇
■スウェーデンの男女平等 スウェーデンでは、戦後の高度成長期に労働力不足を補うため女性の就業が進んだほか、高福祉国家を支える福祉サービス分野で男性と競合しない形で女性が進出。2009年の女性の労働市場参加率は81%で、男性の88%と大差ない状況。これに伴って育児支援策も拡充され、保育サービスなど国の家族関係支出は07年時点で国内総生産(GDP)比3.4%と、日本の0.8%の約4倍に上る。男性の育児休業も当たり前になっており、期間は短いものの、女性に匹敵する数の男性が育休を取る。最近は、民間企業の取締役に占める女性の割合が2割程度と、他の指標に比べて低いため、向上策が議論されている。(ストックホルム 共同/SANKEI EXPRESS)