中国では食器が「消毒済み」とのパックで覆われており、一見きれいに見えるのだが、その実態は、やはりとんでもないものであった。
倉庫のようなところでおばちゃんたちが汚い雑巾で一拭きして「消毒済み」のものもあるし、上記映像のように黄色い汚水にジャブンして「洗浄」するものもある。仕上げは、「消毒済み」のパックに入れられ、見た目はきれいになる。
保健所が検査に入る登録企業に関しては、消毒食器を100として、70%は合格だそうだ。どんな検査か分からないが、いい加減なのかもしれない。この保健所の職員がこの会社の消毒食器を使っていれば、それなりに安心だが???
以下の記事には、消毒食器の黒心工場は広州だけでも50~60社は存在し、かなり汚い環境で洗浄され、ネズミ・ゴキブリが食器収納庫に入り込んでいると書かれている。おまけに洗濯用の洗剤で洗っているところもあると言う。消毒ではなく、毒を入れているようなもの、なんでも消毒食器の規範も標準もないと言う。
そんなものがあったとしても、この手の黒心工場は後を絶たない。
<見た目のみ 四千年の うつくしさ>
【中国最新情報3/20-消毒食器業界を「消毒」すべきだ】
3・15の消費者権利の日までに、広東省にある幾つかのメディアが共同で、東莞、中山、広州等の都市で、広東省消毒食器業界に対する調査を行ったところ、消毒食器「地下工場」が大量に存在し、広州だけでも5、60社あることがわかった。
これらの地下工場消毒食器のプロセスは毒を投じるのと同じである。大きな洗浄容器には一面ごみが敷き詰められ、食器洗浄機には至るところ食べかすがつき、ネズミやゴキブリが食器収納箱に入り込み、さらに言えば、洗濯用洗剤で食器を洗っているところもあった。
このような現象は、見たところ、消毒とは毒を入れるようなありさまであるが、これは広東省独自のことにとどまらない。消毒食器業界の規範、基準を早期に打ち出すべきである。
規範や基準がないため、消毒食器業界への参入ハードルは低くてはっきりしておらず、幾つかの小規模作業場や悪質な作業場がどんどん参入し、玉石混交状態となり、総数を把握するのも難しいのだから、管理監督のしようもない。
消毒食器産業の零細業者の無法ぶりは、業界の名声をおとしめるだけでなく、低コストの過当競争をよりどころとして、真面目な企業にプレッシャーをかけ、市場から追い出そうとさえしている。
規範や標準がなく、政府が行える「3つの鉄槌」は、消毒食器業界を管理できない。
消毒食器業は目下3部門が管轄している。工商部門が営業許可を管理し、衛生部門が監督検査を管理し、食品薬品部門がレストランの食器の使用について管理している。
しかし、消毒食器業界には事前審査がなく、工商部門はただ単に関連規定に従って登記を受け付け、営業証書を発行するだけで、衛生はその管理範囲に入っていない。食品薬品監督部門はレストランの消毒食器検査に責任を持つが、消毒食器企業については監督権を有しない。衛生部門は証書を取得していない消毒食器企業、小規模作業場や悪質な作業場に対して監督することができない。
メディアが共同で調査し、業界関係者が消毒食器は毒であるとさえ言われていると認めても、監督部門は消毒食器業界の「消毒」という責任を持つことを恐れているのではないか。
まさにこの業界関係者が言う消毒食器業界のありさまは、この業界に現在依然として専門の国家強制基準と地方基準がなく、また監督欠如の異常状態であることが原因である。
したがって、消毒食器業界の規範と基準を早期に打ち出し、業界参入のハードルを上げるのが、監督部門の最優先の任務である。
もしかすると、「食器集中消毒単位衛生監督規範(試行)」や「食器消毒衛生標準」があるじゃないかと言う人もいるかもしれない。それはそうだが、前者は衛生監督について、後者は旅館、ホテル、レストラン、食堂等の飲食企業の食器及び個別店舗の食器についてであり、消毒食器業界や企業に対するものではなく、消毒食器業界には清潔さについての基準はない。この不足分はできるだけ速やかに追加するべきである。
〔経済参考報2012年2月13日〕