写真はタダノ・アメリカ取締役副社長のAnthony Chiofalo(51)、5/21に解任/ABCローカル動画ニュースより(2012/6/11)
http://abclocal.go.com/ktrk/story?section=news/local&id=8696918
以下は2012/12に自首をしたAnthony Chiofalo容疑者
TX fugitive surrenders in Newport
タダノ・アメリカ取締役副社長のAnthony Chiofalo(現地採用)は2010/11~2012/4まで、法務担当責任者として、架空請求などの法務費用を水増しし、架空の法律事務所(Maio & Cardenas LLC)に支払うなどして、900万ドル≒7億15百万円を着服した。(正確には9,329,546.81ドル≒741,291,000円)
子会社の法務費用が急激に増えたために内部調査を行い発覚したが、発覚が遅れた理由として、法務担当責任者の犯罪であったことと米国の弁護士費用は高いという思い込みがあったことを挙げている。
Anthony Chiofalo は着服したお金を競売で使い、200万ドルの絵画、彫刻、スポーツコレクション、漫画、写真および美術品などを購入した。40万ドル・90万ドルの漫画もあり、多くのスポーツコレクションの中にはモハメッド・アリのローブもあったと言う。
問題は架空法律事務所への支払いである。これは口座登録時に審査部門等がチェックすれば、未然に防げた筈である。請求書を持っていけば、何でも支払う経理ではダメ、法務責任者が承認しようと支払新規口座をチェックすれば分かった筈である。
同様のことが日系の海外子会社にも当てはまる。特に法務部門は現地採用をするケースが多く、現地の法律的なことに明るい日本人も必要である。たとえ、現地の法律事務所と提携していたとしても最低限の知識は必要である。
中国あたりでは何があってもおかしくない。きっと今回の件を徹底的に調べて、同じことを日本企業にも仕掛けるかもしれない。弁護士だから信用できる!こんな考え方は海外では通用しない。
【IZA6/9-「タダノ」米子会社 元役員7.2億円着服か】
クレーン大手の「タダノ」(高松市)は9日、米国子会社「タダノ・アメリカ」で法務業務を担当していた米国人の元男性役員(51)が約900万米ドル(約7億2千万円)を着服した疑いがあると発表した。同社はすでに米捜査当局に刑事告訴している。
タダノによると、この元役員は米ニューヨーク州の弁護士資格を持ち、2009年1月に副社長として現地採用され、訴訟など法務業務を中心とした管理部門を担当。10年11月から今年4月にかけ、訴訟費用の水増しや架空請求を繰り返し着服したという。
子会社の法務費用が急激に増えたことから内部調査が行われ、5月に着服が発覚。元役員は同月21日付で解任された。
元役員は現在連絡が取れなくなっており、米捜査当局が逮捕状を取って行方を追っている。
この後、おまけがあり、この事件を調べていたハリス・カウンティー検事局のLonnie Blevins調査官がChiofaloのコレクションの漫画を盗んでいたことが分かり逮捕されている。 盗人の上前を撥ねるとはこのことだ!