写真はタイコ・マサラ/YouTubeより、日の丸鉢巻をしているのはZhanna Pyrchinaさんかな?集団の太鼓を生で聞くと体が震えるほどのインパクトがあり、魂まで揺さぶられる。太鼓は聞くのもいいけれども、是非、叩いてもらいたい。誰にでもできる。どうして、ボイジャーに乗せなかったのだろうか?まさに原始的で洗練された地球のサウンドである。
以下はタイコ・マサラによる「飛龍三段返し」、口上を述べているのが代表のヒロ・クラシマ=倉島弘幸氏
この曲は御諏訪太鼓宗家、故小口大八氏(1924/2/27~2008/6/27)の曲、6分を過ぎた頃に「転禍招福 息災延命」の掛け声がかかる。どこかの国の独りよがりな銅像よりもよほど彼らの演奏の方が公園にむいている。
以下はヒロ・クラシマ氏へのインタビュー映像、NYでの練習の光景も
【産経9/14-響け、日本太鼓の音色 米ニューヨークで愛好家の輪広がる】
日本の三大太鼓芸能の筆頭格「御諏訪太鼓」がニューヨークで大人気だ。「ドーン」と重く腹に響く日本古来の音色に魅了される米国人は多く、日本人の指導者から演奏法を学ぶ愛好家たちは、各種イベントで引っ張りダコとなっている。(ニューヨーク 黒沢潤、写真も)
ドロ・スク、ドロ・スク、ドロ・カカ、ドロ・カカ…。ニューヨーク市ブルックリン地区のスタジオに、太鼓グループ「タイコ・マサラ」の日本人指導者、倉島弘幸さん(57)の独特な掛け声が響き渡る。
「ドロ」は強く、「スク」は弱く、「カカ」は太鼓の縁の木の部分をたたく合図だ。
「そりゃ」「ホイ」-。太鼓をたたきながら、元気な声を張り上げていたイーゴリ・オメリチェンコさん(30)は「太鼓は、頭で考えたことを紙やパソコンで表すのとは違って、自分の気持ちを表現できるのが魅力」と声を弾ませる。女性のローラ・ドゥーガンさんも「太鼓演奏は本当にエキサイティングよ」と笑顔で語った。
御諏訪太鼓は、諏訪大社(長野県)の神楽が源流だ。戦国時代、武田信玄は諏訪太鼓21人衆を編成し、上杉謙信の軍勢と死闘を演じた「川中島の合戦」では、太鼓で将兵を鼓舞したと伝えられる。武田氏滅亡とともに廃れたものの、和太鼓奏者の小口大八氏が戦後間もなく、復興させた。
倉島さんが御諏訪太鼓と出会ったのは20数年前。日本の太鼓チームの米公演に感動し、のめり込んだ。日本での修行を経て、現在はニューヨークで約100人に太鼓を教えている。
異国の地で太鼓を調達するのは容易ではないが、倉島さんは、ニューヨーク州に隣接するコネティカット州のワイナリーから特別にワイン樽をわけてもらい、太鼓に“改造”する。本物の太鼓を購入すれば約8千ドル(約80万円)かかるが、改造太鼓なら千ドル程度ですむ。
青年時代、ドラム演奏者を目指した倉島さんは御諏訪太鼓について、「最初、エンターテインメントに過ぎないと思っていた。しかし、神楽であるからにはエンターテインメントなどではなく、神様との対話、将来との対話でもある」と指摘する。「太鼓を通じて人々とつながりを持ち、人間性を高め合うこともできる。モノがあふれる時代にあって、精神性を豊かにすることもできる」と力を込める。
太鼓グループの名前「マサラ」は、ヒンディー語で「スパイス」を意味する。人種や文化を超越した「さまざまなスパイスが混じり合った、人々を喜ばせる音楽」を聴かせることを願うとともに、心を「真新に」という思いも込められている。
「太鼓は誰も差別しない。演奏を通じてみんなが幸せになれる」と熱っぽく語る倉島さん。「太鼓はたたくのではなく、打ち鳴らすもの。音を飛ばして、思いを他者に届けたい」-。ドラムの“本流”米国にあって、倉島さんが信奉する太鼓哲学に魅せられ、太鼓に触れる米国人はいっそう増えるはずだ。